Blenderでプリキュアを3Dモデリング

今回は少し複雑な形状のモデリングに挑戦してみました。お題はプリキュアです。
結果から言うと大変でした。当初の計画ではボーンを入れてアニメーションまでさせる予定でしたが、難易度が高かかったのでモデリングまでです。
以下、sketchfabにアップロードした3Dモデルです。上下左右にグリグリするとアングルがかわります。

苦労した点

大変だったのは以下2点です。

  • スカートの形状が二次元の印象に似ない
  • 顔が二次元の印象に似ない

スカートの問題は主に、二次元を三次元化する場合に発生する矛盾が原因です。このモデリングは公式サイトのキャラクター三面図を下絵に設定してトレースしています。この三面図では、フロントとバックから見たスカートの傾きが異なります。フロントから見るとスカート前方が垂れて後方が上がっているのに対して、バックの絵ではスカート前方が上がって後方が下がっているように見えます。これは、二次元の世界で見栄え良く見えるように表現されているためで、これに気づかず3D化しようとすると矛盾が発生します。フロントの絵に合わせて作った場合、バックから見たらスカートが上がりすぎておしりが見えてしまうといったことが起こります。なので、今回はスカートの垂れ具合はすべて同じにすることにしました。

 

次の、顔が二次元に似ない問題は色んな要因がはらんでます。
1つは、デザイン画からは顔の詳細な形状が分からない点です。目尻から耳にかけての形状や、頬の起伏がデザイン画からはよく分かりません。モデリングしながら、「このキャラクターらしさ」を探りながらあーでもないこーでもないと調整しました。
また、印象が似ない別の要因としては、スカートの件と同様、デザイン画上で形が矛盾している点があります。三面図のフロントとサイドで口の高さがかなり違うので、どちらを基準にするかのキメが必要でした。最終的には、よく見られる正面の印象を優先しました。

他にも色んな要素を調整しながら進めたのですが、2Dを3Dにする際には「トレードオフ」の概念が必要なのかなとやっていく中で気づきました。物理的な形状をつくる以上、二次元の世界と違いが発生するのは当然で、その中で何を優先したいのかをポリシーとしてもっておくとスムーズになりそうです。例えば「形状として人間らしい自然なフォルム」に寄せるというのも1つの解だし、「形状的に破綻しててもかまわないからこの角度から見た印象をアニメに合わせたい」という方向もアリなのかなと。

おうちにプリキュア!

sketchfabのアプリにはAR機能があるので使ってみました。おうちにプリキュア!

まとめ

二次元からの三次元化というのは、奥が深い話だということがわかりました。こういった仕事をされている方のブログを読んでみたところ、アウトプットの方向性の話が非常に興味深かったのでリンクを貼っておきます。

今回はモデリングだけでしたが、いずれはボーンを入れてアニメーションさせてみたいです。